音楽は自由にする 坂本龍一


2009
03
18

音楽は自由にする 坂本龍一

2時間程度で読了。中身は殆どないのですが、一点グサりと来た箇所がありました。
本職を決めないまま、大学院生時代にスタジオミュージシャンのバイトが死ぬほど忙しくなって、お金もそれなりに入って来る様になったころ、「このままじゃやばいな」と思った、という箇所。

スタジオミュージシャンは音楽家ですが、内発的なエモーションに基づいてクリエーションを行う訳ではなく、あくまでクリエーターの道具に過ぎません。エモーションを持つクリエーターに呼ばれて、職人的にあるパートを弾くなり仕上げるなりして、また次の仕事に移っていく。この仕事を繰り返して大御所と呼ばれる様になり、たくさんの弟子を引き連れて親分風を吹かしている人もいるのですが、それをみて

ああなっちゃおいしまいだな、お山の大将だ。

と思ったという箇所が出てきます。

この気持ちは、戦略コンサルタントという仕事に、僕が前々から感じている違和感と、似ている様な気がします。

戦略コンサルタントは、ある適正を持った集団を非常な高純度で抽出した上で、その集団に厳しい訓練とプレッシャーを与えることで、与えられたビジネス上の課題に対して、非常に短期間に高度な解を出すことが出来る様に訓練された集団ですが、やっている仕事は徹頭徹尾他動的でそこに内発的なエモーションとか問題意識とかクリエイティビティはまったく求められないんですね。

つまり、アントレプレナーなり事業家なりがいて、その人が事業を組み立てる上で、ピースバイピースで、あちょっとここは手を借りたいな、というところを僕らが手伝っているに過ぎない、ということで、こういうことをずっと続けていて、本当に深みとか厚みとかが、出てくるのかしら、という気がしています。

まあ職人っていうのはそういうもんだから、それはそれでいいと思うのですが・・・問題は自分がそうありたいかどうかっていうことですね。