ルネサンスとは何であったのか 塩野七生 読了

ルネサンスとは、見たい、知りたい、わかりたい、という精神運動の爆発

現代イタリア語の基本は14世紀から16世紀にかけてフィレンツェで書かれた数々の著作によって完成した。ダンテからマキャヴェリに至フィレンツェの文人たちによって成った。だから、彼らの作品には日本語で言う「現代語訳」や「口語訳」というものが存在しない

ヴェネツィア共和国では、ペストの伝染経路が東方からであるとわかった段階で波打ち際での防疫システムを確立する。東方からの船は、船籍がたとえばヴェネツィアであろうとアラブであろうと関係なく、潟の中に数多くある島に一度停泊させ、ペスト菌の潜伏期間とされる40日を過ぎた後でないとヴェネツィア内に入港させないとした。現代の空港では検疫は英語でQuarantineとなるが、そもそもこの語はヴェネツィア方言の40日間=Quarantinから来ている。検疫システムも、複式簿記や外交官常駐制度と同じ、ヴェネツィアの発明なのである

ペストによる人口の激減は中世的な世界観への後退よりも、社会の生産性向上へつながった。

コシモ・ディ・メディチの芸術支援の思想は、この言葉に集約される。「我々はこの街の気分を知っている。メディチ家が追放されるまで50年とはかからないだろう。しかし、我々が支援した芸術家から生み出された物は永遠に残る」