Monday, April 27, 2009

CSR?

CSRが流行っているらしい。

コーポレート・ソーシャル・レスポンビリチーというのを、略してCSRとなる(らしい)。

で、直訳すれば、企業の社会的責任、ということになるのだが、経営学的な側面から見れば、「ウチは金儲けだけアザトクやっているわけではなくて、いろいろと世の中の役に立つ活動を、ちゃんとしていますよー」というPRの要素が、どうも強い気がする。

典型的なのが、ゴールドマンサックスがオフィスに張り出している公園の清掃や、障害児ケアに対するボランティア活動ですね。この活動を単体で取り上げれば責めるべき点は無いのですが、マクロのメカニズムで捉えると、いわゆるCSR活動には問題があると思っています。

企業の社会的責任、という点からまずトップダウンで考えてみれば、その第一は、

1:作り出すサービスや商品で、社会の役に立つ

であって、まずこれをちゃんとやってくれ、というのが最初に来るべきでしょう。そこはまあ本業ということもあるので、殆どの会社では「言われなくても一生懸命やってまっせ」ということになるのでしょうが、一方で、先に例を挙げた某投資銀行では、駒沢公園の清掃とか、障害児との交流とかっていう貢献をアピールしていましたが、それをブッ飛ばすくらいの社会的損失を「本業を通じて」与えているので、CSRもへったくれもないだろ、おい、というのが僕の本音です。

で、次に第二の点なのですが、これは

2:雇用を作り出し、これを維持する

になります。

失業率がマクロ経済指標になっているのは、雇用が社会の安定に欠くべからざる要素だからです。そして、アメリカ的な経営は利益の最大化のためには、雇用は犠牲にせざるを得ない、という理念に依って立っています。

これをCSR的な観点から、どう考えるかというのが一つ目の難しいポイントだと思います。

バンバンレイオフして利益は出して、そうして絞り出した利益のいくばくかを(ある種のみそぎとして)CSRとして寄付したり社会貢献活動に使っていますといって世の中にアピールするのって、おいおい、ちょっと待てよ、と言いたくなるのは僕だけなのかしら。

逆に、こういう会社があったら貴方はどう思いますか?

我が社のミッションは、「雇用の最大化」にあります。世の中を安定させるには、個人個人が、安定した食い扶持を持つ必要があります。そのため、一つ一つの会社が、雇用を最大化することを求めれば、安定した世の中が必ず出現するはずです。我が社は、その嚆矢となるのです。しかし、そのために利益は犠牲になりますので、配当その他の株主利益は、あまり期待なさらないで欲しい。弊社は、株主、顧客、従業員の3つのステークホルダーのうち、もっとも従業員に利益還元することを求める会社なのです。

とまあこういう会社です。

うーん、これはこれでありな気がする。もちろん上場企業では難しいけれどもね。例えばサントリーは、利益三分主義といって、顧客と従業員と社会で、もうけを三つに分ける、という考え方をとっていて、ここに株主が入ってこないのは非常に清々しいと、僕は前から思っています。まあいいや。

で、企業の社会的責任の三つ目の側面が、

3:税金を納める

という点です。

納められた税金は、政府や地方自治体によって「社会的事業」に使われることに(一応)なっています。つまり、納税額の大きい会社は「社会的責任」を果たすところも、大きいということになります。

一方、税金は経常利益から捻出されるので、いわゆる利益を犠牲にする形で行われるCSR活動は、納税額を少なくさせます。従って、CSR活動の規模と納税額は、単純に言えばトレードオフの関係にあります。

従って、CSR活動の推進を合理化するには、一企業が考える社会的活動の方が、選挙によって選ばれた政府や地方自治体が行う社会的活動よりも「投資対効果が高い」ということを証明することが必要になります。

これは突き詰めて考えれば、企業は官より優れている、ということであり、さらに言えば官を選ぶ民の能力が低いので、納税額を増やすより、一企業が社会的事業を行う方がいいのだ、という考え方に依っている、ということになります。

単純化すれば、CSRを積極的に行っている会社は、「納税者はバカ」と思っている、ということです。

この点を、CSR礼賛者はよくよく考えてみるべきだと思っています。

よく日経ビジネスなんかで、CSRランキング、というのがありますが、これもものすごい視野狭窄に陥っている感じがしますよね。寄付活動とか、植樹とか、アホかと思う様な活動に、企業のリソースが使われている。

CSRって、

1:いい商品を出しているか=売上高
2:雇用を創出しているか=従業員数
3:社会貢献しているか=納税額

の3つで見れば、十分じゃないんでしょうか?


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