ネットって何のため

情報の非対称性が失われる完全市場では、利益は限界まで減ってしまって資本主義は崩壊するだろう、と予言したのはマルクスだったかしら?

インターネットは企業から市民へのパワーシフトを促した、とよく言われて、そういう文脈において例えばスティーブ・ジョブズやグーグルがかつての西海岸カルチャーがなしえなかった革命を達成するかも知れない、と期待を込めて言及されることが多い。

確かに、情報が広く、速く流布することで企業は超過利潤を得る機会を減らすことになる。なんでこんなことを考えたかというと、先日家の荷物を大量に運送する機会があって、見積もりをネットで取ったら簡単に合い見積もりが取れた、ということがあって、あ、これはネットが出てきたせいで世の中は全般的に完全市場に近くなっているのかも知れないな、と思った次第なんですが、そのことと僕個人が、世の中はこうあるべきだ、と感覚的に思っていることに、やっぱりなんか齟齬があるな、と皮膚感覚として実感したから、ということなんです。

それは何かと言うと、荷物の梱包をやってくれたのが、もういい年をしたおばあちゃんたちだったのですが、この人たちに払うお給金は、ネットがもたらす革命的な情報流通力によって、限界まで下がり続けるのだろうな、ということなんです。

僕は、ネットで何社かの運送業者に声をかけて、其々から見積もりをもらう。
そして最も安いところに決める。

このこと自体、何ら責められるいわれはないんですけどね・・・・

ネットは確かに便利なんですが、より完全市場に近くなる、つまり情報流通の量とスピードが高まることによって、本当につらい思いをせざるを得ない状況に追い込まれるのは資本家よりも、その人たちに使われる労働者なんではないか、とふと思ったわけです。

これが、今日未明にふっと目がさめてなぜか思ったことの次第。