Sunday, May 1, 2011

いい本が消えて行く

父が長年使っていて、自分も実にいい辞書だなと前から思っていた岩波の「Saito's Idiomological English-Japanese Dictionary」がついに絶版になったらしい。

この辞書、父が大学に居た時代から使っていたのでかれこれ50年程現役を保っていたのだと思うのですが、本当にいい辞書なんですよね。

どこが「いい辞書」なのかって?それはとりもなおさず、たたずまいですね。今時、ここまで金をかけて丁寧に作られた装丁の辞書っていうのは珍しい。僕はブックフェチなんで中身を読まずに装丁だけで嘗め回す様に本を愛したりしますが、本当にこの辞書は装丁がいい。

で、加えると、やはり英文学を読むには必須の辞書かな、と。最近、フィッツジェラルドの書籍を原書で読んでいるのですが、最新の英英辞書や英文辞書にも載っていない様な熟語が載っていて感服させれます。

それはつまり「Idiomological」という言葉からもわかる通り、「単語」の多寡よりも「熟語」の多採を目指した辞書の面目躍序するところで、例えば「With」では、11頁に渡ってその用例が記されているということを示せば、その目指すところがお分かり頂けると思います。

欧米の本屋を訪れると、その装丁のプアなことに本当に暗澹とさせられますよね?日本の出版文化は、この装丁と中身のシンクロにその骨頂があると僕は思っているのですが、最近はなかなか出版社も難しい様で、安手の装丁に身を窶すケースが多い様ですが、本当に哀しいことです。

皆さんも、是非装丁のいい、つまり「顔のいい」本に、お金を使ってあげてください。


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