Wednesday, November 16, 2011

情報が増えてるって本当なんでしょうか?

インターネットが普及してから、情報量が増えてるってことを色々な人が言っていて、何となくそれに違和感を覚えています。

もっともダメだなと思う意見が、現代の人間は古代の人間の○○倍の情報にさらされている、といったもので、こういう意見を言う人は恐らくイマジネーションがないんだろうな、という気がします。

例えば現代人が天気予報を見て一日の天気の行方を考えるのと、古代人が朝の空気の湿り気や雲の具合、日の出の色や草木のしなり具合、蛙や鳥の鳴き声から一日の天気の行方を考えるのとで、どちらの方が処理している情報の量が多いかと考えると議論の余地は無いように思うんですよね。

市場情報の数値や競合分析をもとにして新たなビジネスのネタを考えるのと、豚やイノシシの行動パターンを想定しながら、その日の狩りの戦略を立てるのとで、どちらの方が情報処理の方が多いかと考えると、これもまた議論の余地がないように思うわけです。

以前、宗褊流のお家元に庭を案内して頂いたことがあるのですが、その際、厚く茂った苔の上に裸足で触れたときの脳を直撃するような感覚が忘れられません。後から色々と考えてみたのですが、あれはやっぱり情報量の多さ、ということに脳がびっくりしたということに尽きるのではないかと思っています。

ここ10年くらい、クラシック音楽でも古楽と言われる、作曲された当時の姿に近い楽器で演奏したCDをよく聴いているのですが、これが最新の楽器と何が違うかというと、すごい濁りがあるんですよね、音に。で、これがさっきの苔と同じ感じがするんですね。密度が濃くて脳がザワザワとさざめくというか、そういう気持ちよさがあります。

現代人の僕らは、音でも物質でも色でも、表面を平滑でツルツルでペカペカしたものにしたがりますが、そうすることで脳に快感を与える様なリッチな情報というのはどんどん失われてしまうのではないか、という気がします。

そして、そういうものに囲まれて、自然を解釈するということをしなくなった現代人の僕らが、古代の人達に比べてずっと多くの情報を処理しているのだとは、僕はどうしても思えないんですよね。


No comments:

Post a Comment