Thursday, May 17, 2012

「生きにくさ」と「多様性」と「コンビニ」

昨今、生物多様性がよく取り上げられますが、イルカとかクジラとかも大事かも知んないけど、生物の中でも最も喫緊に多様性を回復すべきなのは「日本人」じゃないか、という気がしています。

多様性が許容されるということは「あなたがあなたらしくある状態の、そのままでいいんだよ」ということですよね。ところがここ何十年も、日本はどんどん「個人が個人らしくあること」を許容できる社会ではなくなっていて、ある特定の科目や領域が得意な人だけが他者や社会から認められて、その他の人は、その「認められる人」の様になれ、という圧力を、子供のころからずっと受け続けるという状態になっています。圧力を受けている当人も、認められる人の仕事のやり方を真似る様なマニュアル本を買って、一生懸命ないものねだりをしていたりして、本当になんだかなあ、という気にさせられます。

この閉塞感が、日本の自殺率の高さにもつながっていると思うんですよね。

日本の自殺率はOECD諸国の中でも最高位に高く、絶対数値としては年間で3万人の人が自ら命を絶つという、実に痛ましい状況がずっと続いています。

これがどれくらいの人数なのか、みんな感覚がマヒしているんじゃないかと思うのですが、例えば政令指定都市の人口は、那覇が30万人、鹿児島が60万人なので、10年で「那覇市の人口の全員が自殺して街が消滅」、20年で「鹿児島市の人口の全員が自殺して消滅」という状況なんです。とんでもないですよね・・・

で、すぐには解消できない問題なのかも知れないけど、個人的には、いろいろな個性を持った人が、その個性なりに幸せや人生のやりがいを追求できるような社会にすることで、この問題の解決の一助にしたいと思っていて、そのために、「人格多様性礼賛」を、いろいろなところで書いたり発言したりしている昨今です。

僕自身、相当イレギュラーな人格で、子供のころからはみ出してばかりいたせいで、殆どの学校の先生からは蛇蝎の様に嫌われていたのですが、幸いに非常に鈍感だったり、たま~に認めてくれたりする人がいたせいで、なんとか角を丸められずに生きて来られたという実感があります。で、多くの人にもそうあって欲しいな、と。

社会全体で価値観の多様性を回復させようとした時、大きく問題になって来ると思っているのがコンビニです。コンビニの棚をご覧になればすぐわかる通り、いろいろなジャンルの商品の中でも、基本的に一位、まれに二位までの商品が入っているだけですよね。これはつまり、ある商品カテゴリーについて「一位」と「二位」以外の存在は認めない、というシステムです。

例えばオレンジジュースを取り上げて考えてみると、いろいろな人が居て、いろいろなオレンジジュースの好みがあって、いろいろなオレンジジュースをつくる、いろいろな人が居る、というのが健全な姿だと思うのですが、コンビニにはオレンジジュースは一種類か二種類しかありません。現在のコンビニの飲料流通におけるシェアは大変高いので、コンビニに入らないということは既にその時点で飲料メーカーとして、そのブランドを存続させることは難しいということなんですよね。

つまり、コンビニの棚に一位と二位のオレンジジュースしか入らない、ということは、極端に言えば「世の中にあるオレンジジュースは二種類でいい。それ以外の存在は許さん」とコンビニが規定しているということです。これは何もオレンジジュースに限ったことではなく、あらゆる商品カテゴリーにおいてそうなっています。これは「世界における多様性の回復」という点から考えた場合、まさにトンデモない事態だと思うわけです。

コンビニが一位と二位の商品しか基本的に扱わないというのは、狭い店舗に様々な商品カテゴリーの商品を機会損失をミニマムにしつつ置こうとするからで、これを解決するにはコンビニの店舗そのもののスタンダードサイズをデカくするか、あるいは商品カテゴリーごとに専門店舗をつくって、それを集積させることで利便性は維持する、ということが考えられます。

店舗サイズを大きくすると土地の面積も建設費も、サイズの増分に比例してリニアに増加しますが、一方、収穫逓増の法則が働くため、サイズが大きくなって品ぞろえが増加した分ほどには売上はリニアには増加しません(三位、四位の商品を置くための棚を設けても一位、二位の商品ほどには売れない、ということ)。従って、店舗サイズを大きくすると恐らく企業全体の収益性は悪化するので、この方法は上場企業が多いコンビニには難しいでしょう。

そうなると、後者に是非トライしてもらいということなのですが、いかがでしょうかね・・・
少なくとも僕は、なるべくコンビニで買わないで、いろいろなものを地元の専門店で買う様にしています。ささやかな反逆ですけどね。

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