Tuesday, July 10, 2012

コレクティブパワーは権威を凌駕するって本当?


個々の力は弱くても、集合すればすごい力になる、というのがcollective powerの考え方で、このアイデアは、ネットが登場して以来、とても人気がある。

で、その事例として、食物連鎖の中で劣位にある鳥類の群れが、上位にある捕食者を駆逐する映像を用いたプレゼンテーションがTEDに流れていた。

http://www.ted.com/talks/don_tapscott_four_principles_for_the_open_world_1.html

これは、映像的には大変美しく、また弱い鳥が捕食者を駆逐する様は非常に印象的でもあるのですが、本当に鳥の群れの様な集合的力が、大きなパワーや権威に打ち勝てるのかどうか、となるとなかなかこれは難しいよ、というのが僕の考え方です。

というのも、もともと鳥の群れは、

1. 他の鳥が多くいる方向に移動する=Cohesion
2. 障害物や他の鳥とは一定の距離を保つ=Separation
3. 近くにいる鳥の向かうのと同じ方向とスピードを保って飛ぶ=Alignment

という条件付けでシミュレーション出来ることがわかっています。

クレイグ・レイノルズは、1986年に開発した群れの行動をシミュレーションするプログラム=Birdoid(鳥モドキ)で、上記の条件付けでコンピューター上に鳥の群れを再生させたわけですが、しかし、こんな条件を組織の成員に対して課したら、それこそ全体主義になってしまいます。

同じところに皆がどっと集まる、同じ方向に向かって飛ぶ、というのはそれこそ戦前の日本やドイツで起こったことで、つまりファシズムです。

カモメのジョナサンじゃないけど、群れがあっちに飛ぶならオイラはこちら、という個性がイノベーションには必要わけで、鳥の群れの様な行動を組織に課しても日本の停滞を止めることにはならないと思う。

上記のプレゼンテーションは大変人気があるみたいで、色々なところで引用されていますが、映像の美しさや印象の深さと、その群れを動かしている実際の意思決定の仕組みとそれがもたらす影響については分けて考える必要がありますね。




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