Tuesday, April 22, 2014

キャリアのチャンスは「つなぎ目」にある その1

子供のときからの飛行機好きで、お酒を飲んで酔っぱらうとよくYouTubeで「着陸」の映像を見ています。

特に見物なのはクロスウィンドでの着陸で、滑走路に対して45度近くも機体を斜めにさせながらアプローチするようなトンデモナイ映像が見られます。巨大なエアバスのA380がスライドしながらアプローチしてくるVなんてスゴい。乗っている人は怖くてしょうがなかったでしょうね・・・


このビデオの、特に機体が空中にあるときには滑走路に対して斜めを向いているのに、着地した瞬間に、滑走路の軸線に対して機体を水平に修正するという着陸を何度か見ているうちに、瞬間的に気付いたことがあります。それは

つなぎ目が危ない

ということです。航空機の場合、空中にある場合と地上を走る場合では、属している系=システムが変わります。この「属しているシステム」を乗り換えるところに脆弱性がある、ということです。

航空用語に「魔の11分」という言葉がありますよね。これは「航空機事故の70%は離陸の3分、着陸の8分のあいだに発生している」という経験則から生まれた揶揄ですが、これはそのまま「つなぎ目」が危ない、ということを示しています。

同様のことが工学の分野についても言えるのかも知れません。例えば、原子力発電は例の事故があってから危険だ危険だ危険だと言われ続けていますが、では具体的にどこに危険性があるのか?ということを地に足をつけて考えてみると、実は「つなぎ目」に脆弱性がある、ということがすぐにわかります。

原発というのは炉でお湯をわかして、出てきた湯気でタービンを回して発電するという、それだけの仕組みですが、過去の事故を調べてみるとその殆どが炉とタービンのつなぎ目であったり、炉と建屋のつなぎ目で問題が起こっているのがわかります。原子炉やタービンや発電機を単体のものとして見ると非常に完成度は高いのに、それらをつなぐといろいろと問題が起きるわけで、これもつまり「系」と「系」のつなぎ目で問題が起こっているわけです。

で、ここで若干強引なのですが、実は経営システムもそうなんではないか、と思ったんですよね。

企業経営にはさまざまな側面が絡みますよね。経営戦略、財務・会計、人事・組織、マーケティング、オペレーション、製造、物流・・・これら一つ一つの要素については実務についても理論についても専門家が沢山いるわけですが、それら要素の「つなぎ目」に強い人が少ない、というのが今の問題なんじゃないかと思ったんですよね。

例えば僕がいまいる人事・組織の業界であれば、人事制度や組織論に通暁している人はたくさんいるわけですが、マーケティングや経営戦略の側面から、最適な人事制度や組織を設計できる人は本当に少ない、というのが現実です。これは何でもそうでね、マーケティングと物流とか、製造と財務とか、両方をつなげる人というのに今後価値が出てくるんじゃないかと思います。

でもこれっていいことだと思うんですよね。だって、カテゴリーが100個しかなかったら、100人のチャンピオンが生まれるだけですけど、カテゴリーのつなぎ目がチャンピオンを生むということになれば、100人のカテゴリーチャンピオン以外に4950人の交差点チャンピオンが生まれるわけで、ずっと多様性のある社会になると思うんですよね。

これからのキャリアのあり方として「T字型」という表現がよく言われますが、そうではなく「X字型」?なのかな?よくわからないけど。でもそうなんじゃないかな。だって「T字型」って、言いたいことはわかるけど、要するに無いものねだりでしょう?全分野に一応の知識はあった上で専門性を持っているなんて、そりゃいいに決まってますよね。「これからの時代はT字型人材が求められる」って、なにをネボケタこと言ってんだよ、そんなのギリシア時代から変わらないじゃんか、と思いますけどね。そう、だから「T字型」より「X字型」なんですよ。

専門家としての矜持を持って自己研鑽を積むことはプロフェッショナルとして当然のモラルだと思いますが、その上で「自分が生きる交差点」を意識することで、企業や社会が抱えている「脆弱点」を補正できるのだとすれば、個人にとっても社会にとってもこんなにいいことはないよなあ、と思うのです。

そうなると、ということでまだ考察は続くのですが、それは次回ということで。

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